近年はポピュラーになりつつある散骨。
散骨のいちばんの特徴は、「お墓を持たない」ということでしょうか。
わたしは初めて、散骨というもの、海にまくという話を聞いた時に、散骨っていいなと思いました。
いろんな国に行ってみたいと夢見ていたわたしは、海にまかれるのは好都合!と散骨希望になりました。
「死んだらお墓に入る」しかないと思っていた中学生の頃でした。
それからだいぶ時が経ち、散骨というものを調べる機会がありました。
従来の「お墓」とは全く違う弔い方になるので、慎重に考えなければいけない。
残される人がいますから、家族・親族とよく話して決めないと、後に後悔やトラブルになることもある。
散骨する際には、法律や条例などの規制があることにも注意しなければいけません。
死後のことは、自分の希望が通るのがいちばんですが、みんなが納得して見送ることも大事です。
わたしは、父の遺骨を、海洋散骨しました。
父の希望を聞いたわけではありません。
長年疎遠になっていたので、訃報は突然でした。そこから、わたしが考えて、決断しました。
決断するのに、7年かかりました。
散骨をすると決めてからは、迷いはありませんでした。
わたしの気持ちは、父を自然の中に還した。そんな感じです。
分骨さえしませんでした。
遺骨は全て海にまきました。
今は、この送り方でよかった、そう思っています。
父は、心にいますから。
なぜ決断できたのか。
海洋散骨について、知りたいと思っている方。
わたしが調べて知ったこと、経験してわかったこと、お話します。
海洋散骨とは
海洋散骨とは、遺骨を粉末(パウダー)状にして海にまく供養方法です。墓地を必要とせず、自然に還るという考えに基づいた新しい形の供養です。
散骨は、違法ではない
現在、散骨に関する法律や規定がないため、散骨自体は違法ではありません。
違法ではありませんが、マナーや条例があります。知っておかないとトラブルになる可能性があります。
散骨は、実は自分でできるって知ってましたか?
散骨は、「墓地・埋葬等に関する法律」には規定されていない納骨形式のため、申請をしなくても散骨が可能です。
散骨するには、遺骨を、パウダー状にしなければいけません。そのことを、「粉骨」と言います。
簡単に言えば、粉骨すれば、まくことができるんです。
ただし、骨を砕いている姿、散骨も、無関係の人が見れば気分を害することもあります。
トラブルにならないよう、マナーや条例に注意し、他者や環境への配慮を持って行う必要があります。
事項で、散骨のマナーについてお話しします。
自分でする散骨のマナー
規定の大きさに砕く
元の形がわからないように粉骨します。
そのまま捨てることは、見つけた人を驚かせることにもなりますし、遺骨遺棄罪にあたり罰せられます。
粉骨の大きさは2㎜以下とするよう、マナーとして確立されているそうです。
全ての骨をパウダー状にするのは、肉体的にも精神的にも辛い作業だといいます。
粉骨する作業場所にも注意しましょう。
人目につき、不快に感じる方がいるかもしれません。
他人の土地に勝手に散骨しない
散骨自体は違法ではありません。だからといって、いつどこででも自由に行えるわけではありません。
他人の私有地の場合、許可があればできます、しかし、人が多くいる場所や観光地、水源近くは避けるべきです。
・トラブル防止や観光地のイメージを保つため、規制や条例を設けている治自体もある
・漁場や養殖場、生活用水の水源のある場所では、利用者や住民に不快な思いを与えてしまうから
山や山林に散骨する場合も、所有者の許可が必要。山や山林には必ず所有者がいます。
たとえ自宅の庭であっても、自治体によっては散骨を禁止しているところがあります。住んでいる自治体の条例を確認しましょう。
遺骨を埋めてはいけない
遺骨を埋めることはできません。自宅の庭であっても、遺骨の埋葬は、法律違反となります。
遺骨の埋葬に関しては、「墓地、埋葬等に関する法律(墓埋法)」で、墓地や霊園など決められた場所のみとなっているからです。
散骨と埋葬、この二つは似ているようで違います。この違いを頭に入れておかなければいけません。
違法ではないとされる散骨は、遺骨をパウダー状にして海や山などにまくことです。埋めることではありません。
例えば、パウダー状にした遺骨を自宅の庭に散骨する際、風で飛ばされないように土の中に埋めたくもなるでしょう。けれど、上から土をかぶせる行為は埋葬になってしまうのです。法律違反になるので、やってはいけません。
川への散骨はやめるべき
河川や湖は水源なので散骨しない。
散骨自体は違法ではないものの、個人の判断で散骨をすれば訴えられる可能性もあります。
献花について
とくに海洋散骨の場合、ルールがあるわけではないので、必ずしも献花を必要とするわけではありません。なくてもいいそうですが、業者さんのプランには献花が入っていることが多いようです。
海洋散骨の献花は、花びらだけをまきます。
薔薇などトゲのある茎や毒のある花などは、海洋生物の生態系を守るために避けるべきです。
包み紙などラッピングは流さない。海の環境を守るためです。
献花する花の量は、常識の範囲で。多ければ多いほど、弔いの気持ちが強いというわけには、なりません。
選ぶ花に仏教式のような決まりがないので、故人の好きな花や育てていた花など選んでもいいですね。
喪服は着ない
とくに海洋散骨の場合、散骨することを周囲に悟られないようにします。散骨することを、不快に感じる人がいるかもしれないからです。
喪服を着用せず、平服で行きます。
船に乗船して散骨する場合、水に濡れる心配や、足元が不安定になるので、動きやすい服装でいいそうです。
散骨のメリットデメリット
散骨に描くイメージはどんなものでしょう。
みなさんはどこに興味を持ち、どこが不安要素になりますか?
メリットデメリット考えていきたいと思います。
メリット
自然に還るという本来の姿である
将来子供や孫に負担をかけたくない
墓の購入が必要ない
墓の維持管理に悩まなくて済む
宗教やしきたりにとらわれない
海や自然が好き
デメリット
特に海にまいた場合、取り戻すことができない
お墓参りができない
故人の供養の仕方がわからない
遺族間の理解が必要
粉骨しなければいけない
散骨が自分でもできるということはわかりましたが、わたしにはできないと思いました。
粉骨をしなければいけない。
遺骨をそのまま撒くことはできません。刑法違反で、遺骨遺棄罪に問われる可能性があります。

粉骨・・・遺骨を細かく砕くなんて、自分にはできない。
火葬後、骨壷にきっちりと骨を拾って入れました。全ての骨を粉々にするのは大変だという記事も読みましたし、その自分の姿を想像できなかった。
気分的にも耐えられるかどうか。いや、無理だったと思います。
壺の中の遺骨を見たいと思いませんでしたから。
粉骨だけを頼めるプランもあります。ご自分に合ったプランを探して、対応できるのか、確認してみましょう。
そして、デメリットの中には、どうしても気になってしまう、霊的なことへの不安も含まれると思います。
お墓にいれなくてもいいのか。
何か起こるのではないか。

何かって、なに!?
事項では、そんなウワサについて話します。
散骨にまつわるウワサについて考えてみた
散骨がよくないと仰る方もいます。
祟りが起こる
縁起が悪い
成仏できない
身内に不幸が起こる
こういった言葉は、今まで耳にしたり、何かにつけてつい自分も発していませんか。
「縁起が悪い」なんて、よく言っては、そういう行為は避けていますよね。(新しい靴は午前中にしかおろしません!など←わたしだけ?)
気にする気持ち、よくわかります。
散骨にメリットを感じ、デメリットを払拭しても、こういったウワサに悩まされるのも事実です。
わたしも、身内がわたしの知らないところで「散骨なんて」「子供に何か起こるかもしれない」と言っていると聞きました。
そう言われると、心配になります。
けれどもわたしは、散骨業者からいただいたパンフレットを読んで、こういったウワサは「違う」と思いました。
散骨は宗教的に全く問題ありません。古くから行われてきた供養方法なんです。
お墓に埋葬するという弔い方の方が、歴史が浅いそうです。
今度、ますます供養の方法は変わってきます。
核家族化、少子高齢化、未婚率の増加など、身内のいない状況になる人が増えるのは確実です。
家族がいても、お墓を継ぐ人がいないという悩みを抱えている方も多くいらっしゃいます。
今から墓じまい、お墓を持たない選択をするのは、将来を考えての行動です。
お墓に対する考え方は変わりつつあり、お墓に入らない供養はますます増えると思います。
お墓以外を考えた先に、散骨があるんです。
供養は心で。本来、どこにいても、思い、手を合わせるだけでできるはずなんです。
散骨証明書が送付されて、終わり。遺骨を預けてから約1ヶ月
わたしが父を見送った海洋散骨は、代行でお願いしました。
お願いした業者の事務所で、遺骨をお渡ししたのが、父(遺骨)との最後です。
その場所でのお別れも寂しく、少し涙が出ました。
けれども帰り道、空を見上げ「よかったね」「やっと落ち着けるね」と父に話していました。
海という、父の安らげる場所が見つかってよかった。
そこから後日、粉骨が行われ散骨の運びとなっています。
父の場合、火葬から1年以上自宅供養でしたので、粉骨の前に乾燥作業がありました。
全てが終わり、散骨証明書が送付されるまで、1ヶ月ほどかかっています。
途中、「本日、海洋散骨を執り行いました」と、LINEに数枚の写真を送っていただけました。
海の上で遺骨が入っているであろう袋を、手に持っている写真。
海面にお花を落とす写真。
それを見て、ホッとしました。
安心しました。
遺骨を預けてから、父は寂しくないかな、と気になっていたので。
やっと供養できた。自然に還れた。そう思いました。
代行散骨だと、他のご家族の代行散骨と合同で執り行われることが多いようです。
あらかじめ決まった散骨予定日、天候によっての変更など、遺骨を預ける期間が長くなる傾向にあると思います。
ご自分が選ぶ業者と、プランや詳細について、よく確認して契約してくださいね。
散骨の依頼はどこに
散骨を自分で行うことが難しい場合は、専門業者に依頼しましょう。
散骨業者、山や森林散骨できる寺院などに相談することもできます。
わたしは、地元テレビで放送されていた番組で見つけました。
海洋散骨をこんな風に扱っているところがあるなんて、しかも同じ県内に。
申し込めばやってもらえるなんて、考えてもいなかったんです。
テレビの取材を受けて、紹介されていたので、ある程度の信用はできていました。
ホームページの確認、資料請求、メールでの問い合わせ、見積もり依頼など。慌てずに、気持ちが向いた時に進めていきました。
テレビの放送を見てから、1年は経っていました。(悩みすぎかな)
散骨業者とのトラブルを未然に防ぐために、わからないことや疑問に思うことはその都度聞きましょう!

わたしも、業者さんとお話して、安心してお願いできました。気になるウワサへの不安を払拭できたのも、きちんとお話できたからです。
もし、業者に不信感が出た場合や考え方の食い違いなど、なにか引っかかるものがあったら、契約しないことです。
きっと、初めての散骨、という方が多いと思います。
不安の中、調べてやっと出会った散骨業者。
その業者に任せられる気持ちが起きなかったら・・・冷静になってもう一度考えるべきです。
何も悪いことではありません。
大切な人の供養ですもの。
自分自身も納得できないと、供養になったとは言えません。
遺骨はすぐに手離す必要はありません。自宅供養も問題はないのですから。
同居する家族の理解を得て、「もうちょっと待ってね。ちゃんと供養できるところ探しているからね」と故人に伝えてあげてください。
散骨後、わたしの供養の仕方
父の遺骨は残っていません。
法事などもしていません。
天涯孤独だった父。
海にまいたのは、好きな所に、思い出のある所に、父が自分の意思で行けたらいいなと思ったからでもあります。
ただ、父が生まれた所には、写真を持ってわたしが帰ってあげました。
「ここで生まれ育ったんだね」とそれがわたしと父だけの法事でした。
わたしは海が見えるところに住んでいて、いつも見れる環境にあります。
なので、海を見るたび父を思い出す・・・とはなっていません。
父は、心にいます。
でもちょっと顔見たいかなと思うので、机に、写真を2枚飾っています。
わたしの知らない若かりし頃の父(遺品整理で出てきました)と、わたしがなんとなく覚えている頼もしかった父。
それとは別に、写真を1枚ポーチに入れています。わたしが小学生の頃に父と並んで撮った写真。たまに持って出かます。
「忘れてないよ」と教えてあげたいから。
あまり一緒に出かけたことがないから。
あと最も重要なのが、自分のため。
子供の頃、父が守ってくれていると感じていたからです。写真を持っていると、今でも守られているような、そんな気持ちにもなります。

ありがとう
何をして、父に届くかは、わかりません。
けれども、わたしができること、してあげたいこと、わたしなりのやり方で、するんです。
それがわたしたち親子の弔い方。
最後に、覚悟を持って決める必要があること、忘れないでください
わたしは、海洋散骨をしてよかったと思いますし、後悔もありません。
それは、今の、わたしの気持ちです。
当の本人の気持ちがどうなのか。
あの世で果たしてどう過ごしているのか。
これから何か起こるのか起こらないのか。
正直、わたしにはわかりません。
例えば、海洋散骨が広がり、もし悪い業者がいるという話が耳に入れば、わたしは悔やむかもしれません。
わたしでさえ、納得してお願いした業者ですが、そんな話を聞くと不安にもなります。一連の作業を見ていたわけではないので。
預けた遺骨はどのように接してもらったのか(雑に扱われたくありません)
粉骨した骨は、紛れもなく父のものだったのか(個人の特定ができない)
ひとかけらの誰の遺骨も混じっていないのか(作業風景が見えない)
本当に海にまいてくれたのか(写真だけではわからない)
心配事は、尽きません。
あえて、こういった不安材料も言わせていただきました。
決めるからには、きちんと調べて納得した上で、それでも覚悟が必要だと思うので。

今回お話しした海洋散骨、いかがでしたか。
供養の仕方は、確実に広がっています。(宇宙葬などもあるくらいですからね!)
生活スタイルの変化、少子高齢化や核家族化など、社会の変化による影響でもありますが、自分で選んでいい、選択肢はひとつじゃない、ということが認知されることはいいことだと思います。
自分に合った故人の供養の仕方、のちに必ずやってくる自分の眠る場所を、考えるきっかけになればいいなと思います。
長い記事を読んでいただき、ありがとうございました。