仕事中、耳障りの悪い会話が聞こえてくる
それは、明るいの声に乗せた悪意
ぽんぽん発生し部屋を埋め尽くす悪意の塊
塊は醜い化け物
化け物を吐き出す人もまた、化け物
誰かを叩く悪口は、賞賛をもらうための道具なのか
良い行いをしているかのような
満足気な得意気な正義の顔で語る
大衆も楽しげで
呼吸を合わせ笑う
賛同、賞賛
部屋中笑いに包まれる
化け物の部屋
あたしも笑っていた
何が楽しいんだろう
どこが笑えるんだろう
自分の中の何かが、音を立てて崩れる気がした
そこに居るためだけに笑った
はんぶん化け物
笑うだけ
賞賛なんてしない
同調もしない
でも笑ってる
情けなく
自分に後ろめたい
何も正しくない
幸せがない
だけどもしかして
化け物になれないわたしが異物?
正義や好みで正しさ訴えて笑う人たち
自分が正しいと思うことは、正しい
だけど、間違いだってある
理解不足だってある
正しさは、他者への思いやりを持ち合わせなければ、凶器
わかり合うことなんてできなくなる
誰が正しいとか間違いとか
誰が決めるんだろう
部屋の主人も傍観者たちも誰も決めない
わたしも決めない
悲しい自分
だけどみんな知っている
誰も幸せじゃない