歳をとると、思い出せないことがたくさんあります。
よほど印象に残らなければ、存在をなくしてしまう思い出たち。
本当は小さなことも覚えていたいのに。
悲しいですね。
ふたりで一緒に行った場所さえ記憶から薄れていき、
一緒に心に焼き付けたはずの景色も何歳だったっけ、
申し訳なく思うし、なんとも情けない。
主人が忘れていることに「なんで!?」と言ったこともあります。
自分が忘れるのも悲しいし、
相手が忘れているのも悲しい。
だけどこれは、自然なことなんですよね。
とてもじゃないけど、脳みその老化は抗えない。
こんなことで悲しんでいたら、これから先の人生、身がもたないですよね。
対策のひとつとして、写真を残すようにはしています。
写真を見るのも好きなので、撮っておきたいのもあります。
行った場所、食べたもの、記録として撮っておけば、見て思い出せる。
思い出すことで、記憶に強く残るんですよね。
けれど、全ての記憶を写真には頼れないし、
思い出したいことは、そこじゃない!ということも。
つい先日主人と、思い出話のすれ違いで大いに盛り上がりました。

初めてディズニーランドで「インディージョーンズ」乗ったのって、2回目やったよね?

違うよ〜その時は〇〇(子供)が乗りたくないって言うから、あきらめたやろう。
ディズニーランド大好きです。
わたしたち夫婦は、お付き合いしている時には行けてなかったので、子供を連れて行きたかったんです。
やっとの思いで、初めて子供を連れて行った時は、本当に嬉しかった!
プーさんのハニーハントに乗った時の子供たちの笑顔と興奮、忘れません。
写真にもしっかり残っています。
子供が増えて、それからも何度か行きました。
そのたび、幸せで楽しい思い出が増えていきます。
そしたら、記憶が混乱しますね。
その思い出は、何回目の来園やったかなんて、記憶がごちゃ混ぜです。
久しぶりにまた行こうと計画しているんですが、思い出話していると、主人との記憶の違いがおかしくて。
お互いが覚えていることを出し合って、思い出して、疑って、話し合って。
どちらが正しいかもう一度思い返して、納得したり。
あ〜でもない、こ〜でもない、語り合いました。
あ〜いろんな乗り物乗ったな
あの時そうそう寒かったよね
夜のパレードも見たね
その時泊まったのがあのホテル
おもしろくて2回乗ったなぁ
ハマったよね
並んでる間にあの子寝たよね
待った待った
あれがおいしかった
いろんなこと思い出させてくれて、記憶を整理してふたりで確認しあう。
その作業がめちゃくちや楽しかった。
それで、思いました!
記憶は、ふたりでひとつにしたらいい。
ふたりで見た景色があるから、ふたりで記憶をつぎはぎしながら老いていけばいい。
まるでパズルのピースをはめていくように、わたしがここのピースを埋めるから、あなたはこっちを埋めてよ。
お互いの記憶を補っていけばいい。
そこに笑いがあったり、発見があったり。
老後も老化も楽しめるはず。
これからも二人で見る景色を増やしていこう。