母を見えていると、一人で生きてきた人なのか、と思います。
基本的に、自分はなにも悪くないと思っている人。
あまり深く考えない人。
めんどくさがり。
わたしはこの人から生まれてきた・・・そうは思いたくない時があります。
母は、選択を間違っていると思う。
だけど、母自身は、とてもいい人生なのでは。
よほど、前世で徳を積んだのか、守護霊がいいのか。
誰かに助けられて、うまく生きてきました。
いつでも、淡々と生きてきた・・・そんな母です。
母が、誰かに感謝している姿を、見たことがありません。
欲深く、平気で隣の芝生が青く見える人。
どんな状況でも、どんなに恵まれていても、変わらない母。
それでも、幸せに生きている。
幸せとは、普通に暮らせること。
母は、幸せなんです。
母が、そう感じていなくても、幸せなんです。
幸せをあげているのは、わたしなんです。
世の中では、
年金が少ない
光熱費が高い
物価が上がって苦しい
生活が大変
病院に行くのも大変
生きていくことは大変
年金生活の方が、買い物で訪れたスーパーでインタビューに答えています。
暗い話題で持ちきりです。
母は、どこ吹く風。
そんなことを言っているテレビ番組を見ていても、何の反応もしません。
自分にとって都合が悪いことは、黙っておく。
下手に感謝などしようものなら、今の関係が崩れる。
黙って、この立場を守り続ける、母。
お世話になりながらも、上の立場でいたい。
だけど、責任はなにも追いたくない。
都合のいい、母です。
母には、
家がある
水が出る
ベットがある
ご飯が食べられる
無いと言えば出てくる
洗濯したものが着れる
買い物には行かない
病院は送迎付き
お小遣い付き
誰かがいる
一人じゃない
こんな幸せな人、います?
特別な幸せではないですよ。
わたしがあげられるものは、普通の幸せです。
普通に生きていける。
ただそれだけです。
だけどあと、何がいります?
何もしないでもらえるなら、こんなに幸せなことってないですよね?
何より、心配がいらないんですよ。
テレビに映っていたスーパーのおばあちゃん見た?
どう思った?
時間かけて、歩いて遠くのスーパーに行くって。
少しでも安く買い物するために。
そんな努力を、しなくていいんだよ?
なのに、「寒い」だ「あんたはケチだ」「誰々さんは、子供たちからお小遣い5万円ずつもらっている」
そんなこと言ってるだけの母は、本当に情けない。
あんたが、うちに何してくれた?
物価が上がろうが、
光熱費が上がろうが、
何の心配もいらない。
気にしなくていい。
お金を払うのはわたしです。
毎日お風呂に入れる、
トイレの水も流せる、
ご飯は出てくる、
作ることさえしなくていい。
ここはホテルじゃねーんだよ。
メニューも考えなくていい、
買い物も行かなくていい、
値段も気にしなくていい、
ただ食べればいいんです。
片付けるのもわたしです。
しかも腹が立つのが「食べさせてもらえれば何でもいい」と言うんです。
気持ちのいい言葉ではありません。
感謝の気持ちなど感じません。
バカにされているように感じる。
「何でもいい」よく言えたものだわ。
「幸せやわ」って言えないのかな。
まだ手も足も考える頭もあるんだから、考えればいいのに。作ればいいのに。
親ってなんなんですかね?
わたしは正直、親にこんなにしてもらっていない、と思っています。
21歳で家を出ました。
約21年間お世話になりました。育ててもらいました。
だけど、そこまでです。
わたしが母の面倒をみる期間の方が、長くなりました。
両親は離婚したから、進学も諦めました。
早くから自立することを考え、親に迷惑かけずに生きていこうとしていました。
しっかり者とも言われていましたが、そうなりたい、そうでありたいと必死だったのかもしれません。
親が離婚したから、私がなんとかしなきゃ、頑張らなきゃと。
誰からも頼まれていないのに、自分は戦うつもりで生きていました。
強く、なりたかった。
だけど、家族にとっては、意味のないことでした。
わたしは、選択を間違ったと思う。
子供らしく生きればよかった。
わたしがしっかりしたことで、親を甘やかせてしまいました。
子供は、親のために生きなくていいんです。
親は、立派な大人なんだから。
子供が、親を守ろうとか、養おうとか、思う必要ない。
バカげている。
いまの子供たちに言いたい。
あなたたちは好きに生きていい。
生きて、生きて、生き抜いて、自分で切り拓けばいい。
その代わり、親に頼るな。
「親に頼るな」キツイ言い方に聞こえますが、これにはわたしなりの考えがあります。
親は、常に子供を想い、見守っているんです。
いつでも手を差し伸べる準備ができているんです。
だけど、それに頼られてばかりでは、立派に自立させることできません。
その時が来たら、ちゃんと助けるから、頼る気持ちではいるな。という意味です。
そして、子供に「親に頼るな」と言ったなら、親は絶対に子供に頼らない。
親は、無償の愛で子供を育てます。
それは自然の摂理。
ただしその逆は、存在しません。
子供が、親に何かをする必要はないと考えます。
わたしの失敗から、学んだこと。
子供が親を看る必要などない。
好きな人はやればいい。
親が好き、
奉仕が好き、
介護が好き、
そういう人はやればいい。
親にたくさんたくさんしてもらった。
だから恩返しする、
それはすごく素晴らしいこと。
そういう人はやればいい。
無理しないなら、やっていい。
無理なら、やめること。
できないなら、しないこと。
親を背負わないこと。
無理に義理で親を想うことはない。
みんな一人で生まれてきて、
一人で逝くんです。
死ぬのは、一人です。
それぞれが、それぞれの責任で生きて朽ち果てていけばいい。
親ができないことは、親の責任なんです。
子供が背負うことはない。
だから、わたしのこともわたしで背負う、ただそれだけ。
それが自然で、当たり前で、当然のこと。
手放そう、親というしがらみを。
手放そう、家族というしがらみを。